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【決算】損益計算書の仕組み②重要指標編

執筆日:2018年10月30日(火)

損益計算書とは会社の1年間の経営成績(損益)を表したものです。

 

損益計算書を駆使すれば、課題等が見えてきます。

今回のコラムでは、損益計算書の項目の中でも特に重要な指標を絞って

解説していきます。

 

 

 (1)5つの利益(おさらい)とは?一番重要な利益は?

 (2)重要ポイント① 売上総利益率(粗利率)

 (3)重要ポイント② 一人当たり売上総利益額(粗利益額)

 (4)重要ポイント③ 労働分配率

 (5)重要ポイント④ 売上高経常利益率

 (6)重要ポイント⑤ 年度比較は必ず行いましょう!!

 (7)まとめ

(1)(おさらい)5つの利益とは?

まず、おさらいですが、損益計算書には5つの利益がありました!

下記の黄部分になります。

① 売上総利益 … 売上高から売上原価を差し引いたもの。付加価値額

② 営業利益  … 会社の1年間の本業のみの利益

③ 経常利益  … 会社の1年間の本業外(毎年発生するもの)も合わせた利益

④ 税引前当期純利益 … 臨時的な損益も加味したTOTAL損益(税金考慮なし)

⑤ 税引後利益 … 臨時的な損益も加味したTOTAL損益(税金控除後)。最終損益

 

この中で、一番重要な利益は『粗利益』と『経常利益』です。

 

『粗利益』は、全ての予算の原資になります。

『経常利益』は会社の毎年の恒常的な損益として、

銀行の融資の際でも、重要な指標となります。

(2)重要ポイント① 売上高総利益率(粗利率)

売上総利益率(粗利率)=売上総利益(粗利益) ÷ 売上高

 

です。

 

例えば、売上3億で売上総利益率(粗利率)が15%の会社があるとします。

この場合、売上総利益(粗利益)は、3億×15%=4500万円ですね。

 

仮にこの売上総利益率(粗利率)を17%まで高めたとすると、

売上総利益(粗利益)は3億×17%=5100万円です。

 

この場合売上総利益(粗利益)が600万円も増加しましたね。

 

この600万円の利益の増加は、売上総利益率(粗利益)15%で換算すると、

4000万円分の売上に相当します。

 

このように、売上総利益率(粗利率)の改善は、売上の増加と同様に大変重要です。

付加価値を上げたり、原価コストを改善することで増加します。

(3)重要ポイント② 一人当たり売上総利益額
        (一人当たり粗利益額)

一人当たり売上総利益(粗利益) =売上総利益 ÷ 従業員数

 

で求まります。

 

これは、従業員一人あたり、どれぐらい粗利益を稼いでるかの指標になります。

 

業種にもよりますが、1200~1500万円以上が目標です。

一人あたりの粗利益を基に、給料の配分を行ったりしますので、

大切な指標になります。

 

例えば、一人当たり売上総利益(粗利益)が600万円だとした場合、

人件費予算が50%とした場合300万円になります。

この300万円は、従業員の額面と社会保険料の会社負担込で予算を行いますので、

従業員さんの額面は、260万円程度です。

 

一人当たり売上総利益(粗利益)が600万円しかないのに、

従業員さんの平均給与が額面600万円もあると、それだけで、

社会保険料+その他の経費で赤字です。

 

その他、銀行の融資の評価の際(定量分析)の際にも見られますので

重視しましょう。

(4)重要ポイント③ 労働分配率

労働分配率 =人件費 ÷ 売上総利益(粗利益)

 

で求まります。

 

人件費には、給与・賞与・社会保険料・雇用保険料

を含めて計算します。

 

簡単にいえば、売上総利益(粗利益)に対する人件費予算のことです。

 

一般的な的な平均40%~60%ですが、低すぎだと、従業員への利益還元が少なく、

高いと、逆に人件費の割合が大きいことになります。

 

50%を超えると、黄色信号です。

人件費や社会保険料等の負担が大きく、経営が苦しくなったりキャッシュが足りない原因にもなります。

 

従って、人件費予算を組むことは、一人当たりの売上総利益(粗利益)が

大変重要です。

 

一人当たり売上総利益(粗利益)が高ければ、おのずと

一人当たりの平均年収も増加します。

(5)重要ポイント④ 売上高経常利益率

売上高経常利益率 = 経常利益÷売上高

 

で求まります。

 

これは、売上高に対する経常損益の割合が求まります。

 

個人的には、予算決め等の際に便利です。

 

来期の売上目標を定めた際に、売上総利益率や売上高経常利益率により

売上総利益(粗利益)や経常利益の目標を立てます。

 

そうすると販売費及び一般管理費も求まりますので、

その枠内で各費用の予算決めを行うのに使えます。

 

ちなみに業種によりますが、サービス業だと8%以上だと優良です。

(6)重要ポイント⑥ 必ず年度比較を行いましょう!!

一番重要かもしれませんが、

必ず、実績数値の年度比較は行いましょう!

  • 売上高は増加したのか?減少したのか?
  • 売上総利益率(粗利率)は増加したのか?減少したのか?
  • 経常利益は増加したのか?減少したのか?
  • 人件費率は増加したのか?減少したのか?
  • 広告宣伝等の戦略費が増加したのか?減少したのか?
  • 経費のどの部分が増えているのか?それとも削減できたのか?
  • 上記の原因は??

上記の比較分析を行う事によって、

例えば利益や利益率が下がっている原因が特定でき

改善につながります。

 

比較対象としては、前期と前々期で行う事が普通です。

 

全部を比較するのは大変だと思いますので、

重要ポイントだけでも構いませんので、必ず比較を行う事が大事です。

(7)まとめ

以上が、「損益計算書の見方② ~重要ポイント編~」のまとめになります。

 

損益計算書のうち、特に重視すべきポイントに絞って解説させて頂きました。

特に年度比較は重要ですので、必ず行いましょう!

 

今回のコラムは以上になりますが、お問合せ・ご依頼等は

こちらよりお願いいたします。

【この記事の執筆者】

 

税理士 大栗 崇一郎

    (おおぐり そういちろう)

 

大学卒業後、国税3法を含む税理士試験に25歳で官報合格。

東京都内の複数税理士法人にて約6年間業務に携わった後に独立。

現在は東京都・埼玉県を中心に会社支援・会社税務に特化した税理士事務所の代表を務める。

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