税理士事務所 IBEE
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執筆日:2026年4月9日(木)
こんにちは!東京都東村山市の税理士の大栗です。
今回は、令和8年度(2026年度)の税制改正の「少額減価償却資産の特例の見直し」について解説いたします!
令和8年度(2026年度)の税制改正大綱で、長年「30万円未満」だった基準がついに「40万円未満」へと引き上げられることが示されました。
昨今の物価高で「パソコンを買おうとしたら30万円を超えちゃって一括経費にできない…」と悩んでいた方には、まさに朗報ですよね。
改正のポイントと、実務上で絶対に気をつけるべき注意点を分かりやすく整理しましたので、ぜひ今後の設備投資の参考にしてください!
3.少額減価償却資産の2026年度税制改正で注意すべきこと!
まずは、そもそも「少額減価償却資産の特例」とはどういう制度なのか、
制度の基本をおさらいしておきましょう。
通常、事業用のパソコンや機械、備品などを購入した場合、
その金額が10万円以上になると、買った年に一括で経費(損金)
に落とすことはできません。
「減価償却」といって、数年に分けて少ーしずつ経費にしていく
必要があります。(原則は一括経費算入不可です。)
しかし、青色申告をしている中小企業や個人事業主であれば、
「特例として、30万円未満の資産なら、買ったその年に全額を
経費にしていいよー」という制度があります。
これが「少額減価償却資産の特例」です。
利益が大きく出た年に、この特例を使って設備投資を行うことで、
大きな節税効果を生むことが可能です。
そんな便利な「少額減価償却資産の特例」ですが、
改正でどのように変わるのか、大きなポイントを2つ
みていきましょう!
今回の目玉はなんと言ってもこれです!
今まで「30万円未満」だった対象資産の枠が、
「40万円未満」に引き上げられます。
近年の急激な物価高騰や円安の影響で、
ハイスペックなパソコンや業務用の精密機器などは、
あっという間に30万円を超えてしまうようになってしまいました。
今回の改正は、そうした実状に合わせて使い勝手を良くしてくれた形です。
「35万円のIT機器」や「周辺機器込みで30万円台後半になるパソコン」
なども、減価償却せずに一括経費化できる事になります!
金額の枠が広がる一方で、
この特例を使える法人の要件は少し厳しくなります。
これまでは「常時使用する従業員数が500人以下」の法人が対象でしたが、
改正後は「常時使用する従業員数が400人以下」へと制限されます。
規模が大きめの中小企業様は、自社が対象から外れてしまわないか、
事前に従業員数の確認が必要となります。
なお、個人事業主の方は関係ありません。
取得価額が40万円に上がるからといって、
何でもかんでも一括で経費算入できるわけではありません。
少額減価償却資産の特例の2026年度税制改正には、
これまでと変わらない注意点があり、注意が必要です!
1つ1つの資産が40万円未満であっても、
1事業年度(1年)あたりの合計額が「300万円」に達するまでを限度、
という全体の上限は変更されません。
たとえば、35万円のパソコンを10台買ったら合計350万円になりますが、
全額を一括経費にできるわけではなく、
枠(1事業年度あたり300万円)に収まる部分までしか特例は使えません。
「まとめ買い」をする際は、この300万円の枠をオーバーしないように
しっかり計算しましょう。
この特例は、青色申告を行っている中小企業者や個人事業主だけ
の特権です!
白色申告の方は使えませんので、これを機に
節税メリットの大きい青色申告への切り替えを検討してみてくださいね。
青色申告は、「この少額減価償却資産の特例」の他にもメリット沢山なので
青色申告に切替ましょう!
この特例を使って法人税や所得税の計算上で一括経費にしたとしても、
市区町村へ納める「償却資産税」の申告対象にはなります。
※10万円未満の消耗品や、20万円未満で処理する「一括償却資産」とは
扱いが異なります
毎年1月の償却資産の申告漏れには十分ご注意ください。
この新しい「40万円未満」の基準は、
改正法の施行日以後に取得し、
かつ、
事業の用に供した(業務で使い始めた)資産から適用される予定です。
つまり、施行日より前にフライングして買ってしまうと、
旧ルールの「30万円未満」が適用されてしまい、
一括経費にできなくなってしまう可能性があります。
30万円台から40万円弱の設備投資を考えている場合は、
実際の施行日のタイミングをしっかり見極めてから購入・納品時期
を決定しましょう。
せっかく購入したのに、施行日前で一括経費算入できないのは悲しすぎるので…。
また一応現時点では、令和11年3月31日まで適用(延長の可能性有)
する事ができます!
以上が、
「少額減価償却資産の特例が拡大へ!「30万円未満」から「40万円未満」
への引き上げで設備投資が変わる?!」となります。
いかがでしたでしょうか。
令和8年度の「少額減価償却資産の特例」見直しポイントをまとめます。
物価高で設備投資をためらっていた経営者様にとっては、
背中を押してくれる良い改正になりそうですね。
購入のタイミングや、今年度の300万円の枠の残りがどうなっているかなど
は確認しておきましょう!
税理士 大栗 崇一郎
(おおぐり そういちろう)
大学卒業後、国税3法を含む税理士試験に25歳で官報合格。
東京都内の複数税理士法人にて約6年間業務に携わった後に独立。
現在は東京都・埼玉県を中心に会社支援・会社税務に特化した税理士事務所の代表を務める。
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